〜遠征報告〜
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BASSIN' HEAVENより
“楽園への扉”を開いていただいたアングラーの釣行録です。
釣り人 : お住まい / お名前
釣り場 : 国 / 場所
期間  : 年 月 日〜 月 日
釣果&コメント  : 魚種 / 筆頭サイズ / 数 等

アングラー 茨城県 /赤津様
フィールド ミクロネシア /ヤップ島
期間 2009年9月シルバーウィーク
今回はヤップ島現地ガイドレコードの80lbのGTをキャッチされた、赤津様のインタビュー形式のレポートです。
小松(以下「小」)まず、ヤップ島へいくことになった動機を教えてください。

赤津様(以下「赤」)私も一人の釣りバカとして、いつかは釣ってみたい魚がたくさんいます。
ボーンフィッシュ、キングサーモン、そしてGTも夢の一つでした。
今回、バッシンヘブンの小松さんにヤップ島の話を提案いただいて、是非キャッチしてみたいと思いました。


「小」 結果、80lbの、現地のレコードフィッシュをキャッチされましたね。おめでとうございました。感想などありましたらお願いします。


「赤」 一言でいえば「感激」ですね。体の底から震えがくるような、
ゾクゾクする感激をおかげさまで味わうことができました。
80lbがヒットしたことについては正直、運がよかっただけと思っています。
生態系の上位者にいる魚が、そんなにたくさん個体数がいるわけはないと思っていますから。
ましてそれをキャッチできるかどうかなんて、難しいと思います。
ただ、お話を聞いた限りでは、ヤップのコンディションは非常にいいと確信していますし、
まだまだ大物がいることと思います。
実際、たくさんのアタックを経験したのですが、コンディションがとてもよいことを裏付けるものでしょう。

「小」 今回使用したタックルを教えて下さい。

ロッド:ダイコー サザンクロススティック STS-86X
リール:ダイワ ソルティガエクスペディションZ6500
メインライン:PE6号ウルトラキャストマン300m
リーダー:サンライン大物ハリス40号(150lb)2.5ヒロ

「小」 タックルはどうやって選んだのですか?

「赤」 まず、ロッドは何年も前に購入したものです。
当時、結構体力に自信があったので、大分ヘビーなタックルです。
’サザンのハチロク’と言えば、知っている人もいるかもしれません。それなりに有名なモンスタータックルだと思います。
おそらく、幼稚園生ぐらいだったら抜きあげても平気。ちなみにこのロッドで釣ったことがある魚は、
それまでスルメイカとシロギスしか釣ったことがありませんでした。こんな竿、まともに使う機会はないですから。
その後、何年か行方不明になっていしたが、最近になって友人宅からでてきました。
現在の体力に見合った竿ではないです。新規に購入するなら、ショップと相談して、
自分の体力に見合ったものを買った方がよいのでしょうね。今回、GTとファイトして、ロッドが曲がっているところを初めてみました。
リールは、ビッグゲームに用いる選択肢なんて、そんなにありませんから。ソルティガとステラしかないですよね。
ラインとかはネットで情報収集しました。


滞在したマンタレイベイホテルのレストラン。夜には船のマストでスライドショーなどが行われて、宿泊客と交流できます

途中立寄ったグアムの水族館「アンダーウォーターワールド」でクエを発見

立ち寄ったグアムでハマーH2のタクシーを発見、15尺のヘラザオが伸ばしたまま収納できます

「小」 サザンのハチロクで、シロギスって、・・・何か間違っていますよね(汗

「赤」 明らかに使い方は間違っています。
シロギスを釣るために設計したわけではないでしょうから、非常にやりにくかったです。
シロギスを釣るには不向きであることを保証します。お勧めできません。

「小」 サザンのハチロクでシロギスにトライする人は、黙っていてもいないので心配いりません。
ところで、プラクティスをたくさんしたと言っていましたが、どんなことをやったんですか。
日本国内ではGTをプラクティスすることができるような環境となると、沖縄県などの一部しかないように思いますが。


「赤」 プラクティスというより、おもに3種類のトレーニングに励みました。

@公園での筋トレ
A港でのキャスティング練習
Bヘラブナ釣り

会社からの帰り道、ちょっと離れた所に港があるのですが、そこに「なぎさ公園」というのがあって、会社帰りに毎晩@Aに励みました。
遠征の1カ月前くらいからトレーニングが必要だと思います。私は普段はパソコンに向かっているサラリーマンなので、
筋力の増強が必要でした。1回の懸垂ができなかったものが、いくら鉄棒で遊んでも平気になりました。
特に、Aキャスティング練習は超重要です。キャスティングの重要性については後でも述べます。
私は35号のオモリを毎晩キャストして、本番に備えました。

「小」 ヘラブナ釣りとGTとの関連性がいまいちよくわからないのですが。。。。

「赤」 ヘラブナ釣りを通じて、集中力のトレーニングを重ねました。
あと、同一の環境下でストレスを感じ続けることへの耐性を高めるトレーニングをしました。
あと、○キューから最近発売されたエサのテストをしてみました。
私の感想としては、成型のしやすさと、中深度以下の使いやすさを感じました・・(以下省略)

「小」 つまり、集中力と忍耐力のトレーニングを行うことであれば、ヘラブナ釣りでなくてもよいような気もしますが・・・・。
しかし、キャスティングの重要性については気になります。
100gを超えるポッパーを一日中投げ続けるとなると、物凄い負荷がかかると思います。
コツみたいなものもあるのですか?


「赤」 ご指摘の通り、コツがあると思います。
通常、普通のキャストだと、ロッドの弾性を活かしてキャストしますが、GTロッドでそうしたキャストをすると大変な負荷になります。
中世の投石機をイメージして、キャストする練習をしました。
youtubeとかで探せば、キャストの参考画像を見つけることができるのではないでしょうか。

「小」 ・・・・中世の投石機をイメージしてポッパーを投げる人って、かなり少数派だと思うので、
その説明で理解できる人は少ないと思います(汗)。
もうちょっと具体的なアドバイスをもらうことはできませんか??苦笑


「赤」 ポイントは垂らしの長さでしょうね。ロッドと同じ長さぐらいがよいですね。
垂らしの長さを的確に見切るためには、リーダーとPEラインの結び目を目印にするととてもよいです。
ですから、キャストのときにちょうど結び目がリールに巻き込まれるか巻き込まれないか、そのぐらいがよい。
私にとって、その適切な長さはリーダー2.5ヒロでした。
それで、その垂らしを後ろに流して、ルアーが大きな孤を描くように投げます。
バックキャストで左手を高く上げ、一気に左手を真下に下ろす感じで私はキャストをしていました。

「小」 なるほど。一日中キャストするなら、そうしたキャスティングの効率性の追求も大切ですよね。
ところで、どんなルアーを持っていったのですか。
というより、例の80lbフィッシュをキャッチしたルアーは何だったんですか?!。


「赤」 80lbフィッシュをキャッチしたルアーはズバリ、ヨーズリのブルーサーフェイス(カラー:ブラック/パープル)です。
あとは自作のルアーを持っていきました。自作ルアーはウェイトが若干軽かったため、
飛距離などでブルーサーフェイスにアドバンテージがあったと思います。
とはいえ、自作ルアーにもたくさんアタックがありました。私のポッパーが持って行かれています。
小松さん、ヤップ島で私のルアーを拾ったお客さんがいたら教えてください。
シルバーのスプラッシュポッパー、シルバーホログラムのシールがボディーに帯状に貼り付けてあり、
アイはアワビシートで作っているものです。誰か、見つけてください(・・;
いずれにしても、80lbをキャッチしたのはロングキャストができるルアーであった事実からも、
ロングキャストの重要性が推測いただけるのではないかと思います。
やはりトレースできる範囲の広さは大事ですね。特に魚がしっかりルアーを見ながら追いかけてくる状況などでは。
宮田さん(現地ガイド)もロングキャストの重要性については力説されていました。
ちなみに、宮田さんの口からよくでてきたルアーの名前は、ムラムラポッパーとGT−γです。
私も買っておけばよかったかもしれません。よく飛び、アクションもよいということでしょうね。

釣り師からの置き土産、ザ・フィッシングのロケにて村越正海さんが置いて行ったムラムラポップ

ヤップ島は現代にストーンマネーの文化を伝える島です

もちろん中型サイズGTもたくさんいます

「小」 ビッグフィッシュをキャッチされたわけですが、ファイトしている時はどんな気分でしたか?

「赤」 もう何がなんだか、わからなくなっていました。なんとかギンバルに竿を立てて、
頑張ってリールを巻こうとしたのですが、相当大変でした。10分以上はファイトしたのでしょうか。
隣で見ていた宮田さんが「半分くらい(魚に)負けていたよ」と言っていました、
あとでサイズを見て、納得したようですが(笑)。
とにかく寄せてきたら、バレないでくれ、と必死で祈ってました。
宮田さんがネットを海に浸けてランディング体制に入っても「・・・・入らない(汗)」とのことでしたし。
結局、宮田さんが軍手をはめて、ハンドランディングしてくれました。
今にして思うのですが、タックルも嬉しかったことでしょう。
大物タックルなんて、竿でもリールでも、その真価が試されるような魚と
ファイトできることなんて、正直、かなり稀だと思います。
その点、サザンのハチロクと、Z6500には、その存在価値を証明してあげることができました。
私の体力がもっとあれば、さらにそのパフォーマンスを引き出してあげることができたのかもしれませんが。

「小」 ところで、リーダーとPEはどのように結束しましたか?
そんなスーパーファイトをしていたら、結構ヒヤヒヤしたんじゃないですか。
ノットについては、ネットや書籍でもいろいろと紹介されていますが、
どのノットにアドバンテージがあるのかいまいちよくわかりません。


「赤」 アドバンテージがあるのは、自分が自信を持ってできるノットではないでしょうか。
私はSFノットを使用しています。私はこれが一番自信がある。今回の釣行では、2回ラインブレイクがありました。
ノットがスッぽ抜けたような感触はありませんでした。
見たことのない切れ口をしていたので、リーフに触ったのかと思いました。
それは例の80LBフィッシュをキャッチする前です。
だから実際に80LBフィッシュとファイトしている間は生きた心地がしませんでした。
しかし、ラインブレイクで自信をなくすことなく、再度SFでトライして、大物をキャッチできたわけですから。
前述のとおり、経験に裏付けられた、自信のあるノットが大事なのではないでしょうか。
しっかりと練習したノットでトライした方がよいということなのかもしれませんね。

「小」 こうしたダイナミックな釣りになると大物タックルはもちろんのこと、
それをサポートするいろいろな小道具も必要になると思います。どんな道具が必要になるか教えてください。


「赤」 出発前に作った携行品リストと、実際の釣行を通して必要だと思ったものをまとめて
再度作成したリストを以下に列記します。
ちょっと個人の意見も入っていますが・・・。

ロッド
リール
予備スプール
リーダー
グローブ(ノット締めができるもの)
予備グローブ
プライヤー(300lbリングが開けるもの)
プライヤー(ラインを掴んでノット締めができるもの)
PEラインカッター(専用ハサミ、ステンレスがよい)
スプリットリング(300lb)
トレブルフック(GT専用のもの、本当に伸ばされます)
PEラインスプレー(飛距離を出すカギになります)
アネロン
腰巻ライフジャケット(膨張式)
ギンバル(いくつかショップを回って、本当にフィットしているものを探した方がよいと思います)
デッキシューズ(足にラインを巻きつけて締め上げることができるもの、クロックスは個人的に嫌い)
タックル用バッグ(波をかぶってもよいもの)
ルアー用ネット(旅行用のネットでよい、ルアーを入れるのに効率的)
日焼け止め(お勧めは金色のアネッサ、大ボトルが良い)
レインギア
偏光グラス2個(海水がついてすぐレンズが汚れるのでスペアが必要)
手ぬぐい(タオル)
海水パンツ
帽子

あとは好みに応じて小物タックルでもなんでも用意して行けばよいと思います。
豊かな海なので、いろいろな魚を見ることが期待できると思います。

80LBフィッシュからルアーを外すガイドの宮田さん。外すだけでも一苦労でした。

赤津氏が宿泊した205号室は「フグの間」。シーツやらカーテンやら、あちこちでフグが泳いでいます。他にもいろいろな海洋生物にちなんだ部屋が用意されており飽きることがありません

80LBフィッシュからルアーを外すガイドの宮田さん。外すだけでも一苦労でした

「小」 ところで、バッシンヘブンとして気になっているのですが、バスフィッシングとの共通点や関連性などがあれば教えてください。

「赤」 なんといっても、ゲーム性が高いということでしょうね。
GTの場合は、バスフィッシングのような繊細さはないかもしれませんが、
目標(対象魚)があって、それをキャッチするために戦略を組み立てていくということでは全く同じです。
状況に応じたルアー選択や、ポイント選び・キャスティング技術など、そうしたゲーム性はなんらかわりません。
キャッチするために要求される要素が違う、というだけです。
逆に言えば、戦略的にターゲットを狙う必要性を鑑みれば、
バスフィッシングをしている人こそGTにトライしやすいかもしれません。
バスタックルでGTにトライするのはまず不可能ですが、タックルさえあれば一度挑戦する価値はあると思います。
私がヤップに行く前にも、徳永兼三プロが訪問していたそうですが、やはりたくさんのGTをキャッチしていたそうです。
バスフィッシングと混同するつもりはありませんが、根底にあるものは同じなのでしょうね。

「小」 それにしても、80lbフィッシュを抱えている赤津さんの写真は、実に迫力がありますよね!!しかも、満面の笑みですよね。

「赤」 自分でいうのはなんですが、これはとてもよい写真だと思います。
まず、今度の年賀状に載せます。フツーのサラリーマン生活をしていると、
年賀状に載せる材料って結構少なくて、毎年困るのですよ。
あと、できれば、バッシンヘブンのホームページに載せていただけると嬉しいです。
これが話題になって、永浜いりあさんの目にとまってほしいです。
それで、永浜いりあさんがコンタクトしてくれないかなー、なんて。
私にとって、永浜いりあさんは、お宝を運んできてくれる女神様であるわけで・・・(以下省略)

「小」・・・妄想もその辺にしておいた方がよいですよ。
でも、赤津さんの、お客様の笑顔を紹介させていただけるのはバッシンヘブンとしても嬉しいことです。
また是非、バッシンヘブンをご利用いただいて、ビッグフィッシュをキャッチして下さい。ありがとうござました。


「赤」 こちらこそ、ありがとうございました。次の遠征もヨロシクです!!


模様ではなく、ズタボロにされたルアーがビッグファイトを物語る

*あとがき*

いやぁ〜、80LBクラスとは、半端ないですよね!!
普段のバスフィッシングからすると想像がつかないですもんね、
それにしても、赤津さんの釣りに対する姿勢は、見習いたいものですね。+独特の感性を持った赤津さんだからこそ、
このヤップレコードのGTを獲ることができたんだろうな、とインタビューを通じて強く感じました。
ただ、今回の旅では、このキャッチしたレコードサイズをゆうに超えるモンスタークラスのバイトもあったとのことで
ヤップの実力は本当にまだまだこれからなんだという、期待感を非常に持つ事ができました。

赤津さん、ありがとうございました。

*赤津氏がユーチューブで探してきた画像
投石機
GTフィッシング


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