〜遠征報告〜
                                                                                                komatsu@bassinheaven.com

アングラー 岡山県/原井勇気様
フィールド アマゾン釣行/ピーコックバス
期間 2019年11月
釣果 本文参照

「アマゾン川」というと、釣り人にとっての永遠の憧れの地であり誰がも一回は行ってみたいと思う所である。

この地での釣りを体験してみたく、いつもお世話になっているバッシンヘブンの小松さんに問い合わせると今年は11月に企画を立てるという返事が返ってきた。ツアー催行人数は3名以上。ここ最近、同行ツアーで共にしている仙台のKさんが参加を表明。そして同じように3年越しでアマゾン釣行を待ちに待っていた福岡のHさんも二つ返事で確定。

これで企画は一応確定したものの、一般の会社員である自分にはここから社会の壁がいくつもいくつも降りかかる事になる。2週間前後不在となるアマゾン釣行に行くには、いつもの会社の長期休みでは休みが足らない…「しかし今ここで行かないと次のチャンスはない。行かないと一生後悔することになる、必ず行くんだ」という強い気持ちで一杯だった。半年前から顔色を伺いながら何人かの上司に直接相談して、渋々だが口頭ベースで許可を得ることが出来たものの、直前になってあーだこーだ揉めるのは目に見えている。まだ本当に行けるのかどうか漠然と不安の日々が続いた。

一応行ける前提で準備を進めるが、アマゾン釣行となると病気のリスクが高くなる為、予防接種が必須だ。
黄熱病,A方肝炎、破傷風、マラリア(これは予防薬服用)これらを順調に実施していく。小松さんから新たに東京のSさん、Mさんの2人の参加追加の連絡を受け、いよいよ釣行が迫ってきた。

出発の一か月前、再度上司に直前の報告をすると不安が的中。この後に及んで土壇場であーだこーだ難癖をつけてアマゾン釣行を阻止しようとしてくる。最後の脅し?には本気でくじけそうになったが、しかしもう自分は行く以外に選択肢はない、仲間からの助言、入れ知恵もフルに使わせてもらい、会社に対して人生最大の強気に出る。撤退は許されない。約一か月間、吐く思いをして色々と話を続けてきたのが功を奏したというか、観念したというのか、遂に、遂に…。

完璧なる了承を得る事が出来ることできたのが結局、出発一週間前の事であった。ようやく不安を払拭させる苦労がやっと報われたのである。近年日本では休暇が取りやすくなってきたとは言っても、まだまだ気軽に休む事は許されない日本に染みつくこの体質、一般社会人の最大の壁をようやく乗り越えれた。言葉にするとこんなものだが、了承を得れた時の安堵感はなんとも言い難い形容がしがたかった。



アマゾン釣行旅立ち前日。
次の日の午前羽田空港発の飛行機に乗るため小松さんの新宅に泊まらせて頂くことにした。
奥様の美味しい手料理を堪能し、寝床を気持ち良くグッスリと寝れる事が出来て、とても感謝でした。

釣行当日がやって来た。朝、小松さんと共に羽田空港までバスで向かった。
釣行当日にふさわしい天気も良く気持ちの良い日であった。
国際線ターミナルに着くと同行する四名と無事合流して、まずは次の目的地アメリカ ニューヨークJFK空港に向けて出発をする。


次の目的地マイアミ空港でも無事手続きもスムーズに行き、いよいよブラジルのマナウスに到着した。
空港を出ると、ちゃんと現地ガイドが来てくれていて手厚く出迎えてくれ、最寄りのホテルまで送迎してくれた。

南米は飛行機が遅れるかもしれないし、荷物が届かないかもしれない。
つまずくとマナウスからのチャーター機に乗れなくなるという最悪のパターンとなるので、翌日は予備日に充ててフライトが無かった。
結局2名竿が届かなかったので、この予備日は大正解。
南米に行くには時間の余裕がすごく大切なんだと感じた。
時間的には無事マナウスまで到着できたので、小松さんの枠な計らいでこの日はマナウス観光をすることができた。
マナウスの市場は果実、肉、魚、調味料など豊富に並んでいてどれもアマゾン地域で取れた物である。
特に魚は僕たちの今回のターゲットが数多く並んでおり皆が釘付けになっていた。

市場を出ると土産を買ったり飲食をし、目の前にはアマゾン川の広大な風景があった。
ごく一部であるが、いよいよこの憧れの地、アマゾン川に来たんだ!!という実感が湧いてきた。

次はマナウスでも歴史のあるマナウス劇場を見学した。
当時ゴム産業が盛んでヨーロッパの移民の人が財力で建てたイタリアルネッサンス建築式で綺麗であり、歴史を感じ取れることができた。

続いて色々体験コーナーの為、アマゾン川のほとりまで移動して舟で渡ることになった。
昼食を食べ、ピラニアを餌で釣る体験した。
さすが皆釣り好きのため小物釣りだが夢中になるほど集中しており、気迫が感じ取れた。

そのまま桟橋を渡り森の中に入ると原住民?の人たちが滞在しており、アナコンダ、ナマケモノを抱くことができた。
共に日本では出来ないことであり、恐怖心はありながらも貴重な体験であった。
そのまま進むと原住民の人達が僕たちに踊りも披露してくれた。
最後は踊りに参加してと手を差し伸べて皆で一緒に楽しく踊り有意義な時間であった。
ちなみに若いおねえちゃんもおっぱい丸出し…

舟で再び移動し、ピラルクの餌やり体験だ。
ピラルクと言えば、タイ釣行でも釣ってはいるが元はアマゾン川を代表する、古代から生息する大型淡水魚である。
生簀の中には小から大までのピラルクがおり、木の棒に紐を垂らし先端に餌を縛り与え、捕食の力強さを味わうというものだ。
ピラルクの餌を食べる時のバホっ!!と迫力ある音と、バキューム力に圧倒し、これはこれで素晴らしい体験ができた。

次はアマゾン川のネグロ川とソリモンエス川の合流点に向かった。
ここは長野県でルアー製作をしており相談でもお世話になっているKJベイツの木島さんから絶対に行くべきと聞いていた。
ガイドさん曰く、水のpHの違い、水温の違いなどで暗褐色ネグロと、泥色黄色味を帯びたソリモンエスの2つの川の水が
混じることなく綺麗に分かれた状態で合流する神秘的な光景だった。
手を水の中に入れてみると2つの水の温度の違いも体感でき、ここは本当に行くべきところでした。

全ての体験を終えると次はマナウス市内の釣具屋に向かった。
アマゾン川釣行で使う為のルアー調達する為であるが、
やはりここでは皆ルアーを必死に選んでおりアマゾンでの釣りの熱意を感じ取れました。


充実のオプショナルツアーを終えホテルに戻ると、次の日の釣り場までの荷物整理だ。
当初は小型飛行機のもあり20キロ制限と思っていたものの実は15キロ制限だったと知りこれには非常に焦った。
全て必要だと思ったから持ってきた荷物。ここからいくら減らしても15キロになることは出来ず…
同行のKさんがバッグに入れて持っていくから自身のソフトスーツケースを貸してあげると言ってくれたおかげで
なんとか無事に重量制限以下にすることができた。
が、しかし帰りに気付いたのだが、ここでまさかの持っていかなかったリールを紛失するオチがあるとは
この時は夢にも思わなかった。タックルの選択には皆さんも十分に気を使ってほしい。

アマゾン川から見たマナウスの都市
まずは観光ついでにピラニア釣り体験。腐るほど居た…
アナコンダに巻かれてみた。
 マーケットでガラナの粉100%ゲット
釣り吉なら絶対どれかは買いたくなるお土産ばかり
黒いネグロ川と白いソリモンエス川の混ざらない合流地点



次の日のは、ホテルで美味い朝食を食べ、最寄りのバルセロス空港に向かう為マナウス空港に向かった。
空港に着くと他のブラジル人釣り人がおり僕たちと同じロッジに行くということで一緒になった。
結論を申し上げますと、荷物「だいたい」15kgでOKでした。
ブラジル人がそんな厳しくやるのかなとは思ったが、やはり良くも悪くもブラジルらしかった。
同行のブラジル人の荷物量をみたら、昨日の減量の苦労にふつふつと腹が立った。
荷物でカウンターでブラジル人同士揉めながらも、なんだかんだクリアしたようで2日がかりで現地ロッジで向かう。

飛行機は15人乗り程度であった。離陸するとマナウスの上空を眺めることができた。
しばらくすると下は見える範囲全て森林しかなくなり、アマゾンの広さを実感してきた。
噂の火事はこの辺りのエリアではまったく見当たらなかった。
そしてそのままフライトし、まもなく下に蛇の様に唸った幾つもの川と白いサンドバーが見えてくる。
これが過去2回アマゾン釣行に行った木島さんが、僕に伝えたかった飛行機から見た悠久のアマゾン川の風景なのだろう。
この時の感動は写真では伝わりきらないかもしれないが、自分は生涯忘れることはない。



間も無くして無事に飛行機はバルセロス空港に着陸。
僕たち乗客は皆で拍手喝采をした。

ロッジの担当者がバンで出迎えてくれバルセロス港に向かった。
水辺の街ということで空港横の広場の露店にはピーコックバスの置き物や土産品が多数あり、釣りが盛んであることが伺えた。

バルセロス港からロッジまでの連絡船に乗りアマゾンネグロ川を遡ること約1時間少々、
とうとう今回の目的地となるフィッシングロッジに到着することができた。

 厳しい荷物15kg制限をクリアし、バルセロスまで来れた。
 ここまで来れるとメンバー全員安堵の表情
 バルセロスの港から高速船でロッジを目指す。
 今回のメンバーはブラジリアンと日本人で14名だった。





  今回が日本人グループは初の受け入れだという事で、
ロッジに到着すると現地スタッフ一同が遥々遠く日本から来た僕たちを手厚く出迎えてくれた。
ウェルカムドリンクも格別に美味しい!
部屋に案内され荷物を置き、昼食を用意してくれたので頂くことにした。
バイキング方式になって数多くのメニューがあり味付けも良く、どれも美味しかった。

夕方までは釣りの準備をして、桟橋で各々はるばるここまで持ってきたルアーのスイムテストやスイッシャーの練習をして過ごす。
夜は明日から始まる釣り談義をして過ごして次の日為に早めの消灯をした。
それにしてもここのロッジ、何も不自由がない上、想像以上に素晴らしい…
こんなアマゾンの奥地でwifiまで使えるとは恐るべし。

 プールはいつでも利用可能のスーパーアマゾンロッジ。  料理は毎回好きなものを好きなだけ選べる。米好き日本人も絶賛。
 毎回こんな贅沢してたらバチが当たりそう…  からの、、アマゾンの奥地でまさかのビリヤードまで



釣行初日。釣り人の朝は早いが気持ちの良い目覚めだった。
準備したタックルを持って朝食に向かうと、朝食時も皆やっと釣りが出来るというワクワク感で満たされている感で一杯だった。
ボートの発着場まで行くと黄色のバスボートがズラッと並んでおり、
今回サポートをしてくれるガイドが準備をして出迎えてくれた。
今回担当ガイドはデニボーイ、ココ、ラトさんの3人のガイドさんで
2人ペアで午前と午後でシャッフルして釣っていく事にした。
最初は同部屋のHさんと同じボートで発進。
時速80キロで疾走するバスボートで、広大なアマゾン/ネグロ川を攻めていくという気持ち良さは格別であり、
自然と自分の顔も笑顔になっていたのがわかった。


最初のポイントに到着するとスピニングロッドを手にしてキャストをした。
数投するとさっそくカバーからピーコックが飛び出してバイト、記念すべきアマゾン1匹目を取ることができた。

同船のHさんはストロングスタイルでビッグスイッシャーを引いており、
時より心臓が飛び出すほどの水面炸裂バイトを出していた。
一通り流して再び入り口付近の溜まりにベイトの群れがおり、ここではベイトが意外と小さいと聞いたので
KJベイツのミノー/KJダガ―10をチョイス。
投げ続けていると、突然圧倒的な引きに恐われた。
これはデカい!思わず口にしてしまったほどで、ファイトに必死だった。
見事に初日から60センチ越え8ポンドクラスをキャッチすることができてしまった。

 結局この後最大クラスもこのルアーで釣れる事になるとは…  これがKJダガ―10。今回殊勲の大活躍をみせてくれた。



昼食は川のほとりにボートを留め、ガイドがバーベキューを用意してくれる。
キープしていたピーコックバスとビーフをガイドが焼いてくれて、
ライスに乗っけて食べるといったものだが、コレがもの凄く美味い!!

   
 ガイドがランチにBBQをやってくれた。はっきり言って絶品過ぎた。  タンニンをたっぷり含んだブラックウォーターのネグロ川

タライーラがペンシルにボコん!
 ジグのスカート切り裂き魔の犯人。  


午後の釣りは、ガイドとメンバーを入れ替えてKさんと同船。
最初のポイントに到着し、暫くすると午前の晴れが嘘の様に急変し、雨が降ってきて爆風に変わってしまった。
そのまま投げ続け、自分とKさん数匹と双方ともポロっと釣れるが、後が続かない…
風も弱くなりキャストもしやすくなってタイミングで、朝ヒットしたKJダガ―10をもう一度セット。
午前釣った影響でリップのグラつきがあり、泳ぎにバランス悪いものの、
草が溜まっている横のキワに投げてアクションするとひったくる様な強烈なバイト??
バランスの悪くなったのが逆にトリッキーな動きになって良かったのかな?!
午前中釣った8ポンドピーコックよりも、尋常ではないぐらい暴力的なバイトが来てしまった。
引きが強く、重みも伝わるのがわかる。

コレは初日にして今回で1番の魚になるかも…と思い、バラしてたまるか!と追い合わせをなんとか入れることができた。
今まで遠征での数々の鍛錬がここで生きてくれた!
猛ダッシュを繰り返す魚と必死にファイトをし、目の前まで来ると、かなりのデカさに気付き驚愕。

ガイドがタモ網ですくってくれた瞬間、自然とヨッシャー!と叫んでしまった。
ガイドも自分のことのように喜んでくれ祝福してくれた。

初日からグランデピーコックバスを釣りやらかしてしまった自分であったが、
ロッジに帰って話を聞く限りまあまあ他の皆も良い釣りが出来ている様で良かった。


2日目と3日目と天候不良で水温が上がらない為か、魚の活性も終日悪く、
それでもスイッシャーを引いてるメンバーは結果がなかなか出ない日が続いた。




やまない雨はない。ようやくやってきた晴れでアマゾンに虹がかかる。



4日目も生憎の雨模様で、数発のチェイスがあるのみで厳しい状況であった。
その中でも木島さんから頂いたボーボレータのタンタンは、
連続したトゥイッチで不規則なアクションをする為好反応を示していた。
そこでタンタンをセットして自分の狙いすましたポイントに見事キャストが決まった。
着水し、トゥイッチでチョンチョンとアクションすると初日に味わった強烈なバイトが…。

またきてしまった。
途中木に巻かれたとそうになりヒヤリとした場面があったが、
ロッドを立てテンションを緩めないように夢中に巻き見事釣り上げることができた。
初日よりウエイトは若干少ないモノのの、79センチ16ポンドの見事なグランデピーコックバスだった。




6日間の釣りもいよいよ。
あっというまに最終日を迎えてしまった。
最終日にきてようやく久しぶりに朝から晴れ晴れした日だった。
今日は良い釣りができるかもしれない。と、朝から気合いを入れてビッグスイッシャーを引き、
一発大物狙いを意気込むもなかなか出てくれない…
ここはやり抜く事が大事だとは思うが、前日まで調子の良かったタンタンにすがってしまった。
午後最後に流したエリアでまあまあ良型が連発し、私の今回のアマゾン釣行は実釣終了となった。

最終日はHさん、Kさん、小松さんにはビッグスイッシャーでビッグピーコックが飛び出し、
MさんとSさんもピーコック他アマゾンで釣れるターゲット(アロワナ、カショーロ、タライーラ、ジャックンダ、ナマズ等)をコンスタントに釣って、皆非常に満足している様だった。
 

 やりたかった勝利の美酒に酔いしれる。  さんざ世話になったKさんも、スイッシャーで特大キャッチ
 ここ行ったらアロワナはやっぱり釣ってみたい。  へこたれる事なく、投げ続けないとスイッシャーには出てくれない。
 念願のワイルドのピララーラ。赤の発色が素晴らしい。  嬉しさのあまり勢い余ってキスした漢。意外と臭いらしい…
 ハイローラーに互角に挑める意欲作KJローラー  最終日はアッと言う間にやってきてしまう!!



  あっと言う間の6日間のアマゾン釣行は終了となり、
翌日アマゾンへの別れを惜しみながら、僕達は帰国の途に着くことになる。
途中、乗り継ぎが間に合わないピンチや一人出発前にまだゲートに来ないで飛行機に置いてかれる寸前ピンチもあったが、
皆大した怪我も無く、日本に帰国する事が出来たのは小松さんのおかげだと思います。
こうして僕の令和史上最高のアマゾン釣行は大成功で幕を閉じることができました。

釣りが好きで好きで仕方がないというのなら、
アマゾン釣行は、一生に一度でいいから、是非勇気を出して行ってみて欲しいと切に思う。
今回は地球の裏側、これ以上ない遠い場所への海外釣行となり、
行くまでには、文字にするのも面倒なくらい様々な面で大変苦労して出発にこぎつけることができた。

海外で釣りしてみたくても金がない、休みが無いという人も多いとは思うが、
一般人の僕でも行けたんだ、みんな頑張れば行ける場所なんです。

アマゾンには全てを凌駕する感動が、21世紀になった今も確かにありました。





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